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いただきもの!

果たして、コメントお返事でよいのかどうか……。。。。。。。。
ともあれ、あさふんさんへの超絶私信でございますゆえ、
ご容赦を〜

こんなに遅くなってしまって、すみません!
ありがとうございました(*´∀`*)


続き
「ん? なんだこれ」
いつものように帰宅してすぐそこ、玄関の棚に置かれていたのは、いかにもってくらいの形の小包。
差出人を見て納得はしたものの、宛名に違和感を覚える。
「たーくん、おかえりなさい」
「ただいま。つか、これ。なんでお前?」
そう。差出人は、遠方に住む母方の俺の親戚。
にもかかわらず、なぜか父方の葉月宛になっている。
「ふふ。羽織が話したのかな?」
「羽織が? つか、話すって何を」
意味ありげに笑ったのが解せず、着替える前についそのままリビングのソファへ腰を下ろしていた。
「前に、手作りおそ松さんを送ってくれたことがあるでしょう? そのときにね、絵里ちゃんと私がいろんなこと話してたから、もしかしたら伝わったのかなと思ったの」
「おそ松って、あのおそ松か?」
本編を見たことはないが、流行ってるってのは聞いたし見た。文字で。
だが、どう考えても俺が見る枠じゃないし、つーかそもそも、絵里ちゃんのみならずお前まで話してたってのは、どーゆーこった。
「あ、葉月。あーちゃんから荷物届いてたよ」
「羽織が受け取ってくれたのね。ありがとう」
2階から降りてきたらしく、羽織がリビングへ入ってきた。
真っ先に葉月へ声をかけ、思い出したかのように俺に『おかえり』と言ったが、待て待て待て。理由がだから、よくわかんねーんだっつの。
「え?」
「中身なに入ってんだ?」
ネクタイを解きながら、顎で示すと、なぜか葉月は小さく笑った。
なんだその顔。
いや、別に食い物じゃなけりゃ手ぇ出さねぇっつの。
別に俺は、お前のモンまでほしがらないっての。
どっかの娘と違ってな。
「……わ」
「え? なあに? って、わ! なにこれ、すごーい!!」
開封された中身を見て、羽織が楽しそうな声をあげた。
つか、お前がのぞきこんだら見えね……。
「うわ、なんだこれ」
「すごい! すごーーい!! え、何これ! 切り絵だよね!?」
葉月が取り出したのは、A4より少し大きいサイズのラミネート加工された絵。
見まごうことなく、切り絵だとわかるそれは、かなり精巧なもので、細かいところはミリ単位だとわかった。
「すっげ……あの人、こんなことまでできんのか。つか、どんだけ器用なんだよ」
「すごいすごい! あーちゃん、職人さんみたい! こういうお仕事してたのかなぁ?」
それこそ、小さな子どもみたいにはしゃぐ羽織を見ながら葉月も同意すべくうなずいている。
それにしても、この絵……つーか、キャラ、か?
おそらくは何かのアニメかゲームのキャラなんだろうが、男2人が描かれて……いや、カッティングで表現されている。
正直、俺にはよくーー
「これ、絵里ちゃんが見たらきっと喜んでくれるでしょうね」
「そうなの?」
「この間おすすめされたゲームのキャラクターなのよ」
「えぇええ!? そうなの!?」
にっこり笑った葉月を見たまま、うっかり口が開いた。
おすすめされたゲーム。
てことは間違いなく、絵里ちゃんにってことだよな?
つーかお前、それは間違いなくやってる口ぶりなんじゃねーのか。
「お前、知ってんの? これ」
「うん。音二郎さんと、チャーリーだよ」
「……チャーリー?」
いかにもいかがわしいというか、うさんくさいの代表的な名前じゃねーのかそれ。
うっかり言いかけたが、ひょっとしなくても絵里ちゃんの耳に入ったら、すげー勢いで説教と称したトークが始まりそうだから、つぐんで正解だな。
いや、さすがに今日は来てねーけど。
「これ、絵里ちゃんが見たらまた叫んじゃうね」
「そうなの?」
「うん。絵里ちゃんも、チャーリー大好きだから」
にっこり笑った葉月のセリフに違和感を覚えたのは、どうやら俺だけらしい。
ちょっと待て。
お前今、「も」つった?
羽織と話し続けている葉月の横顔を見ながら、次第に眉間にシワがより始める。
お前、こっち来てからだいぶいろいろ吹き込まれすぎじゃねーの?
悪いとは言わないが、恭介さんにもろもろ知られてみろ、俺の立場が危うい。間違いなく。
しばらく見ていたらようやく気付いたらしい葉月が、まばたいて首を傾げた。
「腹減った。飯食おうぜ」
思ってたことと全然違うセリフが出たが、まあいい。
詳しいことは、また改めて聞くことにする。

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