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お礼SS

「あー、っちぃ」
 6月に入ってすぐだというのに、寒いんだか暑いんだか微妙な気温が続いてるのはなんだ。
 俺に対する嫌がらせなのか、はたまた目に見えないチカラとやらが働いてるのか。
 とはいえ、暑い寒い言ってるのは俺だけじゃないっつーことは、俺だけのせいじゃないってことだな。

続き

 ……だめだ。頭がヤバい。いろんな意味で。
 今日は図書館内もフロアによって温度差が激しく、なぜか3階だけが異様に寒かった。
 普段は、上に行けばいくほどぬるくなるのに、なんなんだ。あれ。
 誰か設定勝手にいじくったんじゃねーの。
 俺は寒いほうがよっぽど能率あがるんだが、今日はどうしてもと頼まれた新刊のラミネ作業から外れられず、ほぼ1日ぬるーいメインフロアにいたせいか、15時過ぎあたりは最高にやばかった。
 なんか言われた気がするが、それすら覚えちゃいない。
 あー。館長になんか言われた気がすんだよなぁ、明後日のことで。
 ……ま、いいか。
「あー、喉乾いた」
 車庫から玄関までの階段を上がりながら、うっかりひとりごちるほど疲れてはいる。
 普段より気持ち早めの帰宅ながらも、西日のせいで疲れ2倍増し。
 日が延びたとはいえ、この時間でも暑いってのは嫌なもんだな。
 ちらりと腕時計を見ながら小さく舌打ちが漏れ、今夜はとっとと寝るかって気になった。

「ただ――……あ?」
 鍵を差し込んでドアを引いて。
 いつもと同じ一連の動作なのに、玄関入ってすぐそこのブツに視線がとらわれ、時が止まる。
 こんなの、朝あったか?
 逡巡こそすれど、答えはきっぱりNO。
 てか、誰の趣味だこれ。
 ひょっとして羽織か? まさかの。
 いや、あながち“まさか”とは言いにくいな。
 数日前、絵里ちゃんが遊びに来たらしいが、あの夜耳慣れない言葉を聞いたのは確か。

『何松推し?』

 あー、もしかしてもしかしないだろ。
 何松って言葉は、今なら間違いなくひとつしか示さない。
 絵里ちゃんあたりなら、どっぷりハマっててもおかしくない。
 あれは去年とかそのあたりだったが、いわゆる花の女子高生が見そうにない男向けアニメの話をデカい声でしてたし。
 てことは――絵里ちゃんか? これの出どころ。
 いや、わかんねーけど。
「あ、おかえりなさい」
「これ、どうした?」
 リビングから出てきた葉月を見ず、視線はソコ。
 そういやそこ、今朝までは一輪挿し置いてなかったか? と言おうとしたら、そいつの裏に揺れる花が見えたから飲みこんでおく。
「ふふ。かわいいよね」
「……いや、そうじゃなくて」
 意味ありげに笑われ、思わず眉が寄る。
 つーか、それじゃ答えになってねーだろ?
 俺が聞いてるのは、これの感想じゃなくて送り主なんだっつの。
 てか、あれか。お前。
 その目は間違いなく焦点のあってないソイツ見てるだろ。
 お前はどんだけソイツ推しなんだ。
 まあたしかに、ぶっとんでて常識とか通じなさそうなクセに何考えてるかわかんねーとこは、ルール無視でおもしれーと思うけど。
「たーくんは誰がいいと思う?」
「いや、だから……」
 にっこり首をかしげた葉月に、盛大なため息ひとつ。
 俺が聞きたいこと、完全スルーだなお前。
 ああ、もしかしたら今日の陽気で、こいつ自身もねじひんまがっちまったのかもしんない。


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というわけで、先日いただいたおそ松さんボードです!!!!

ファイル 100-1.jpg

すっかり、我が家は松たちに囲まれております。
うはうはしてます。
うひひ(*´∀`*)
ありがとうございました!!

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