「ん?」
「なんだソレ」
自室の暑さに耐えかねてリビングへ降りてくると、やたらデカい箱を持った葉月がやたら嬉しそうだった。
だから聞いただけ。他意はない。
つーかま、そんだけありゃ十分だと思うけどな。
「ふふ。開ける前から、いい匂いがしそうだね」
「何が?」
「これ、ね」
なにがなんだか、さっぱりわからん。
いい匂いってことから、食いモンってのだけは把握した。
さほど重たくはなさそうだが、両手で持つのには十分な大きさ。
お袋のように『よっこらしょ』はなかったが、ダイニングテーブルへ下ろすと葉月が小さく息をついた。
おりたたみ